第三自由ヶ丘幼稚園には、アフリカのニジェール出身のモハメッド先生がいます。背が高くて、スポーツ万能で、子どもたちから絶大な信頼を得ています。普段は子どもたちと運動あそびを楽しんだり、英語、フランス語で手あそびしたり、うたを歌ったり、と子どもたちのあそびの中にいます。年長になると、「モハせんせい、へやにきて!ダンスしよ!」と声をかけ、一緒にアフリカの曲にあわせて激しくダンスしたり、「ねえ、ニジェールってどこにあるの?」「ニジェールのことおしえて!」と“モハタイム”を楽しんだりしています。
今年も年長さんは4月から何度か”モハタイム“の機会があり、
ニジェールにとても興味をもっています。部屋には世界地図もあります。そして地球儀も登場(ビーチボールですけどね!)。そんな”モハタイム“の中で
ニジェールはどこにあるの?(世界地図で確認しました)
どれくらいあついの?
どんなどうぶつがいるの?
どんなものたべてるの?
ようちえんはあるの?
ようちえんではどんなことしてあそんでるの?
と、次から次へと質問が出てきました。一つひとつ丁寧に答えてもらい、「へー!」「ほんと?」。驚いたのは、学校や幼稚園がわらでできているところがあるということ。「わらってさんびきのこぶたのうち?」と子どもたち。知れば知るほど、もっともっと聞きたいことが出てきました。
そしてついに、「ニジェールのおともだちとはなしてみたいな!」という気持ちにまでなってきました。どうしたらニジェールの友だちと話ができるか、こどもたちなりに考えました。「でんわすればー!」「えー?!すっごいとおくだからできないんじゃない?」「いけばいいよ!」の声にモハメッド先生は「飛行機で30時間くらいかかるよ!」「じゃあ、ふねでいけば?」「う~ん、舟だと3か月位かかるかなあ。」」「あ~~~…そんなにかかるんだ…」ニジェールまで行くのは無理みたい、ということは理解できたようです。モハメッド先生に聞けばなんでも答えてはくれますが、そこはやっぱり子どもたち。子ども同士で話したいのです。すると、「てがみかいてみるのはどうかなあ」という意見が出てきました。「てがみいいね。」「みんなでききたいことかいてみようよ。」と大盛り上がり。早速手紙を書いて出してみることにしました。
ところで、誰に手紙を書くの?子どもたちはそのあたりのことには気が付いていません。そこでモハメッド先生が「私の妹(RAMATOUラマツさん)がBANIZOUMBOU(バニズンブ)学校の先生です。4歳から12歳の子どもたちが通っています。5歳の子どもたちもいますよ。その子どもたちに手紙を書いてみますか?」と提案してくれました。手紙を書きたい!という思いだけが先行し、肝心の誰に?がすっぽり抜けていた子どもたち。モハメッド先生の話を聞いて、バニズンブ学校の5歳のクラスの子どもたち宛てに手紙を書くことにしました。もちろんモハメッド先生がラマツさんにこのことを伝えておいてくれました。
みんなで頭を寄せ、一生懸命考えました。たくさん聞きたいことがある中から厳選し、質問を決め、一文字ずつ丁寧に書きました!「えをかいたらよろこぶかなあ」とカラーペンで絵も描きました。そして封筒に入れてポストへ。
次の日「もうとどいたかな?」「まだだよ、とおいもん」その次の日も、「まだかなあ」… 1週間経っても、2週間経っても返事が来ません。「じがよめなかったのかな?」心配する子どもたち。
そんな子どもたちの様子を見ながら、何とかして子どもたちの願いを叶えてあげたいと思うモハメッド先生。こっそりラマツさんと連絡をとってくれていました。
「TV電話でつなぎましょう。リアルタイムで子どもたちが話せます。時差が8時間。お泊まり会で子どもたちが夜幼稚園にいる時ならニジェールは昼間。子どもたちが学校にいるよ。」なんという妙案。年に一度のチャンスがもう目の前です。お泊まり会を準備している子どもたちには内緒で教師も秘密の大作戦を進めていきました。ラマツさんと時間の打ち合わせをしたり、どんな内容で進めるか話し合ったりと、お泊まり会当日までどきどきの毎日でした。前日にはリハーサルと称し、モハメッド先生のお母さん、おじさんと繋ぎ、実際に話をしてみました。モハメッド先生の通訳で本当に話ができました!遠―い国だったニジェールがすぐ目の前です。次の日には子どもたちがこの感激、不思議な感覚を味わうのです。子どもたちがどんな顔をするのか、どんな反応をするのか、教師がわくわくどきどきでした!
そんなこんなでお泊まり会が始まりました。当日の様子はブログ「わくどきももぐみおとまりかい」をお読みください。
今回のビッグサプライズがニジェールと日本の子どもたちの交流の始まりです。相手のことが知りたい!から始まり、自分たちのことを知ってもらいたいへ。大きな地球の15人の子どもたちから始まったつながり。今はまだ細―い糸のような頼りない繋がりですが、これから少しずつ太く育っていくといいな、と願っています。
モハメッド先生が繋げてくれた「縁」、大事にしていきたいと思います。ありがとう。
「FOFO」