第三自由ヶ丘幼稚園
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年長組

【リレー】 2025.10.31

リレー

 2学期が始まってすぐ、「そろそろそとでれるかな?」、「はやくそとであそびたい!」と、子どもたちからたくさんの声が上がりました。今年も去年に引き続き、猛暑日が続いていたため、子どもたちは戸外で思い切り遊ぶことをずっと待ち望んでいました。

 9月下旬に入る頃、少し気温が下がってきて、待ち待った戸外あそび!何をして遊ぶのかな?と思っていると、「せんせい!リレーしたい!」と子どもたちが話しに来ました。そこで、もも組みんなでリレーをやってみることにしました。

 最初は、友だちと一緒に走ることが楽しい!と、久しぶりに思い切り走ることを楽しむ子どもたち。何度もリレーをしていくことで、勝ち負けを意識するようになり、走り方を考えたり、バトンの渡し方を考えたりしているうちに、リレーの難しさ、楽しさを感じるようになりました。

そして運動会が近づくにつれ、子どもたちの顔つきが変わってきました。頑張るぞ!と気合を入れて全力で走る子、負けて悔しく、涙を流す子、勝って大喜びする子、チームの友だちに声をかける子。教師が声をかけなくても、子どもたち同士で、どうしたら速く走れるのかを考え、伝え合ったりしていました。

 そして、運動会1週間前。それまでは毎回その場でチームを決めて戦っていました。ですが、「そろそろチームきめてやりたい!」、「おんなじチームで、どうしたらかてるかさくせんかいぎしたい!」と熱いまなざしの子どもたち。そこでチームを決めることにしました。それまでのチーム分けはというと、「じゃんけんで決める」「2列に並んで右側に並んだチームと左側に並んだチームに分かれる」「走るのが好きな子と嫌いな子を半分半分に分ける」等など、、、子どもたちなりに工夫をしてきました。そこで教師が「つなひきも玉入れもチームに分かれるよね。3つとも同じチームで戦えるといいよね。」とアドバイスすると、「そっか~、、、あしのはやいこばかりのチームもダメだし、つなひきのつよいこばかりのチームもダメだし、、、、」と、悩みが深まるばかり。そこで教師も一緒に考えて、どの競技もみんなが納得して戦えるよう、『身長順』に決まりました。チームで走るのが速い子が何番目に走るのかを話し合ったり、バトンの渡し方を考えたりと勝つために作戦会議を重ねてきました。作戦会議を重ねたことで色チームも、白チームも気合い充分です。

 そして迎えた運動会当日。入場が終わり「よ~い!」と始めようとすると、「きょうはいつもどおりはしらない!」と宣言するトップバッターAくん。教師は一瞬ヒヤッとしました。ですがその言葉には続きがありました。「いつもよりもっとがんばってはやくはしる!」と言ったのです。今までは走りには自信があるものの、負けたらどうしようという不安を感じ、“きょうはまけてもいいかも、、、”とつぶやいていたAくんのその言葉を聞き、思わずスタート前にウルッと涙が出そうになりました。どちらのチームもバトンを渡すときは次の友だちの名前を大きな声で叫び、全力で走り、全力で応援し、どちらのチームも真剣に取り組んだことで、抜きつ抜かれつの白熱した戦いとなりました。(ウルウル)

運動会当日の勝敗は、白チームの勝ちでした。惜しくも負けてしまった色チームは悔しさを感じながらも、退場まで友だちと力を合わせて年長組らしい姿が見られました。(ウルウル)

アンカーを走った色チームのBくんは抜かされて負けたことが悔しく責任を感じ、下を向いて退場しました。すると、白チームのアンカーのCくんが近づき、「○○くんよくがんばったね!」と優しく声を掛けていたのです。(ウルウル)

何度もリレーを経験し、勝つ嬉しさ、負ける悔しさを味わってきたからこそ、友だちの思いに気付き寄り添うことができるようになったのだと思います。勝ち負けだけではないチームを超えて団結した子どもたちを見ることができ、とても感動しました。



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