外で遊んでいるひよこ組さんに「お部屋に戻ってきてー」と言っても「やだー」「そとであそびたい」と返ってきます。

　しかし、１日に２回だけ、先生の声かけに反応してくれる時があるんです。

　それは―――――。

「お弁当だべよー」と「まほうのノート、見よー」です。この１日２回だけ集まれるようになっただけでも、ひよこ組さんは成長しているんです。９月頃は、「お弁当食べよー」と声をかけても「やだー」「まだあそびたい」と返ってきたり、その声を聴いてお弁当に気付き、食べ始める子がいたり、とバラバラに食べているときもありました。帰りも、降園時間ギリギリまで遊び、なかなか戻って来ず、ママが迎えに来てそのままバイバイという事もありました。しかし、今では「まほうのノートを見るよー」と声をかけると、部屋に戻ってきて、黄色いカバンと手提げ袋を持ち、イスに座って待っているようなったんです。

　ひよこ組さんの大好きな「はんぶんだけみせて～♪」の手遊びをした後、（他の手遊びをすると「ちがう」と怒られちゃいます。）「まほうのノート」をみんなで見ます。ピンク（第１弾）と白（第2弾）があり、毎日みんなに選んでもらいますが、７：３の割合で、ピンク（第1弾）が多いです。ファイルを開くと線だけが描いてある真っ白な画用紙が見えます。「ちちんぷいぷいのぷいっ」とみんなで魔法をかけると、線だけだった画用紙にどんどん色が付き、おいしいリンゴやメロンになったり、パトカーや消防車になったり、アンパンマンになったりしていきます。この「まほうのノート」を毎日楽しみにしてくれています。

　「まほうのノート」は、教師が作ったものですが、こんなに喜んでくれるとは思ってもいませんでした。これからもみんなで一緒に楽しい時間が過ごせるよう、いろいろ考えていきたいと思います。