子どもたちが始めた当初から楽しんでいたのが、リズムあそび♪毎日全力で楽しむ姿がありました。子どもたちから出たアイデアを元に作った振り付けは、日を増すごとにお気に入りとなり、「前、後、前前前」や「イイじゃん」、そのポーズを考えた子の名前がそのままついたものなど振り付けにネーミングをして大きな声で言いながら踊っていました。

　毎日踊ることを楽しんでいる子どもたちに、今の自分たちがどんな風に見えているのか知ってみようと、ビデオを撮って観てみました。すると「あ！僕間違えてる！ごめ〜ん！」と言う子や、「バラバラだね」と言う子などいました。そこで、動きが揃ったらもっとカッコよく見えるかもしれないことや、大きく身体を動かしたほうが楽しそうに見えることなど話してみると、「そのほうがいいね！」「揃ってたらかっこいい！」と納得した子どもたち。その日から友だちの動きを見て揃えていくことへ挑戦することにしました！腕を上げたらその場で止めたり、上げる方の手を揃えたり、横へ動きながらの振りは友だちと前後を揃えて動いてみたりと、どれも難しいことばかり。踊ってはビデオを見て意見を出し合うことをたくさん繰り返していきました。

　そして運動会の２日前、教師は前で踊らず子どもたちだけで踊ってみることを提案してみました。不安そうな表情をする子どもたちもいる中、一人の子が「できる気がする…！やってみたい！」とひとこと。すると次々に挑戦してみようと盛り上がり、子どもたちだけでやってみることにしました。すると隊形移動で声を掛け合う姿、迷っている子を呼ぶ姿など助け合う姿が見られました。終わった後、自分たちだけで踊れたことに嬉しさを隠しきれない様子で、友だちと顔を見合わせ喜び合っていました。

　迎えた当日。リズムあそびを披露することを何よりも楽しみにしていた子どもたちは、プログラムを見てはあと何個目なのか数えていました。いざ入場が始まると、昨日までの様子とは打って変わり、表情は真剣そのもの！最初の踊り始めの隊形でじっと曲のスタートを待つ子どもたちからは、絶対かっこいい姿を見せてやるという強い思いがひしひしと伝わってきました。曲が始まると楽しそうに踊る子どもたち。普段と同じように友だち同士で次の動きを確認しながら踊り、声を掛け合う姿も見られました。声も普段よりも遥かに大きく揃っていて、キラキラ輝いていた子どもたち。退場後のやり切った表情をみて、教師は思わず涙が出そうになりました。今までで一番良かったよ！！

　曲、振り付け、立ち位置など、全部をみんなで考えたリズムあそび。自分たちで考えたからこそ、本気で楽しめたのではないかと感じました。子どもたちにとってこの曲が、ずっと支えになることを願っています♪