昨年度に引き続き、お母さんの似顔絵はどうだったでしょうか。
　一年が経ち子どもたちの表現方法にも変化があった思います。母の日だからと「おはなをあげたい」と作った花は無事届いたでしょうか。

　何よりも子どもたちが集中して取り組んでいたのは、『おかあさんへのてがみ』です。
　最近、少しずつ文字に関心を持ち始めてきたまつ組さん。ゴールデンウィーク明け、今まで自分たちが歌ってきたうたの歌詞カードを貼り出した瞬間に、字を追いながら口ずさんでいます。教師がピアノを弾く前に、みんなの声が次々に重なり、大合唱です。教師が毎日のように読む絵本の時間にも、表紙に掛かれた題名を読もうと声に出す子が増えてきました。

　手紙ではお母さんにどんなことを伝えたいか自分で言葉にできるように、その場で一人ひとり聞いて、教師が代筆していこうと思っていたのですが、この日の子どもたちは普段と違いました。口々に「じぶんで、かく！！」と挑戦していくのです。「せんせいが、かくよ？」「かいてあげるよ？」と何度も教師が声を掛けますが、「せんせい、いい」「かいてみる」とこちらが不安になるくらい意欲的に文字に取り組む子どもたち。『お母さんに自分で思いを伝えたい』という心の表われでしょう。
　途中、「せんせい、おしえて～」と頼ってくれて、ほっとする教師。なにせそれまで無心になって自分で書こうとしていましたからね。「『あ』だけかいて、あとはじぶんでかく」教師に手伝ってもらったり、教師の見本を見ながら書いたり、自分の名前だけは挑戦したりと様々な姿が見られました。

　それぞれ興味を持つ時期が違って当然。興味を持った瞬間が、一番学び、吸収する時です。それぞれのペースを大切にできるよう関わっていきたいと思います。
　子どもがやりたいと思ったのは、『おかあさん』という存在があったからでしょうね。
　次の日、自分で手紙を書いて友だちに渡したり、あいうえお表を見ながら文字を書くことに挑戦したりする子の姿が見られました。