先日は運動会にお越しいただき、ありがとうございました。
前回のブログでもお伝えしましたが、友だちと「エイエイオ―!」と声を揃えたり、「1ばん、はしりたいひとー」「2ばんはー」と周りの友だちに声をかけ、走る順番を決めたりしながら楽しんでいたリレー。
好きなあそびの時間にも、子どもたちは「リレーやるひと、あつまってー」と周りに声をかけ、自分たちで準備して始め遊ぶ姿がよく見られるようになりました。
普段、砂場で遊んでいることが多い子も、「ねぇ、やってみようよー」とよく遊んでいる友だちを誘ってリレーの輪に入って行ったり、「きょうはリレーしよ」と自分たちからしたりと、友だちと一緒に力いっぱい走ることを楽しむ場面が多く見られるようになりました。
チームが決まった初めは、ジャンケンで走る順番を決めるだけだったまつ組でしたが、いつものように「アンコール!もういっかい!」と子どもたちのリクエストに応え再びリレーを始めようとすると、なにやらなかなか始まらない。同じチームの友だち同士で円になって頭をくっつけ、相手のチームに聞こえないように順番を決めています。もう片方のチームはすぐに、順番を決め早々に並んでいます。
「よーいどん」と始まった二回戦。結果はなんとよく話し合っていたチームが見事に勝ったのでした。
それからというもの相手チームも触発され、走る前に作戦を考える時間が加わることとなりました。
ただこの時点では話し合う内容は「おもいっきりはしる」「よくてをふる」という内容だけで、作戦というたいそうな物ではありませんでした。どちらかと言えば、勝ちたいという思いをチームの仲間と共有する時間でした。
運動会の予定日は、雨天のため残念ながら順延となりました。しかし、この時間が子どもたちにとって、『残念ながら』ではなく、運動会への取り組みの中で最も濃密な一日となったのでした。前日の運動会への意気込みが続き、一人ひとりがよりみんなと勝つために力を合わせようと気持ちを膨らませたのです。
その話し合いはなんと40分近く続いたのです。
一人ひとりが顔を向き合わせ、友だちが話していることからアイデアをひらめかせたり、「このもじ、かけない」との声に「わかるから、かわりにかいてあげるよ」と役割分担して進めていったりするのです。少し前まで話し合いに参加しているものの、自分の意見を言って違うことをしていたり、その場にはいるものの目線は遠い空を見上げていたなんてことは、ざらだったのに・・・。
この日、みんなが言っていました。「うんどうかい、たのしみ!!」と。
おうちの方に見てもらえるということが、子どもたちの期待を膨らませていったのでしょう。楽しみにしているからこそ、より子どもたちは一致団結して話し合うという大人でも難しいことを取り組めたのでしょう。
作戦を考える中でこんな意見も出ました。
「とちゅうで、ころんではしれなくなったら、バトンをとりにいって、かわりにはしってあげよう」
ただでさえ子どもたちの急成長を目の当たりにして、涙することをこらえていた担任でしたが、相手を思いやろうとする姿に涙腺が崩壊してしまいました。
同じチームの仲間で顔を見合わせながら、輪を作る子どもたちがだんだんと一つになっていく姿に昨年度のことを思い返すと感慨深いものがあります。
リレーの結果だけをみれば、「勝った負けた」「できたできない」という事象にすぎませんが、それまでの過程が子どもたちの心を育てていくのでしょう。
他の場面でも話し合って決める際に、一人ひとりが友だちと力を合わせたり、手助けしたりする姿がよく見られるようになり、また、好きなあそびの時間だというのにクラス全員で鬼ごっこなどを楽しんでいます。
運動会を通して、友だちの存在が彼らにとって、かけがえのないものになったことでしょう。これからもリレーやドッジボール等の集団あそびを楽しんでいきます。